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小さい頃、私はお腹が冷えると【下痢】ではなくて、トイレが近くなるというタイプでした。
そのため、母はよく、幼稚園に行くときにスカートの下にカイロをつけてくれたものです。
「女の子は冷やしちゃダメなのよ」と言って。

元々女の人は男性と比べて熱を生み出す器官である【筋肉】が少ないので冷えやすいんですよね。
だけど、冷えを放置すると危険なんです。
冷えは更年期障害の症状を悪化する、と言っても過言ではありません。

体が冷えると更年期障害の症状が悪化する

ホットフラッシュ傾向がある方は、冷たい飲み物や食べ物を好んで口にしていませんか?
また、運動不足やストレス。
冷えてしまう原因は生活習慣などからも起こるのです。

体が冷えると「血の巡り」が悪くなります。これが更年期に不調を起こしてしまう原因の1つになります。
人の体は常に血液が巡っていますよね。血液はめぐりながら全身に酸素や栄養を届けているんです。それぞれの細胞では代謝によって熱が生まれ、その熱が血液に乗って全身をめぐることで、体は温まり、老廃物を回収&排出がなされます。

ところが、身体が冷えて血管がぎゅうっと縮まってしまうと、血のめぐりは一気に低下します。
すると・・・すべての生命活動が滞ることになってしまうのです。
結果、【体が冷える・・・】【手足が冷たい】ということだけではなく、疲れ・太りやすくなる・肌トラブル・肩こり・頭痛・腰痛・・・などなど更年期症状にプラスされてしまうのです。

自分は冷えていない と感じている人も油断大敵
日常生活の中で、冷えを実感している人は、冷え対策を。
でも危険なのは、自分では体が冷えていることを理解していない人です。

朝起きた時に、わきの下に手のひらをはさみこみ、次にその手をお腹に置いてみましょう。
本来は布団の中で同じ温度なはずなのに、わきの下よりもお腹の方が冷たい と感じたら、あなたの体に【冷え】は忍び寄っているのです。

更年期に冷えたらいけない理由1:冷えると疲れる

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  • 肩が重たい
  • すぐ風邪をひく
  • 疲れがとれない
  • こんな症状はありませんか?

    疲労物質の代謝がうまくいかずに疲れが取れない状態

    日頃感じる疲れの代表格が肩こりや首こり。この「こり」にも冷えが関係しているのです。

    筋肉にはたくさんの血液が通っていて、血のめぐりが良ければ温かい血液で満たされ、柔らかい状態になります。しかし、身体が冷えて血のめぐりが悪くなると筋肉もひやっと硬くなり、肩こりや首のこりが悪化してしまいます。

    更年期に肩こり・首のころが悪化してしまう人は冷えが影響を与えている可能性大ですよ。
    怪我をしたときに出血すると、空気に触れた血は固まりますよね。あれは、体内で温かかった血液が体外に出たことで温度が下がるため固まるのです。それと同じ理由なんです。

    この時体に生じた疲労物質や老廃物をスムーズに代謝できれば回復可能ですが、血のめぐりが悪いと代謝も排出もうまくいかなくなります。血のめぐりが悪いと栄養も運べず、体を動かすエネルギーが足りないために疲れがいつまでも体から抜けず、「だるおも~・・・」というしんどい状態が続いてしまいます。

    腸の働きが低下して免疫力もダウン

    目覚めた時におなかを触って冷えている人は、おなかの中にある【】も冷えている可能大です。腸が冷える、ということは、免疫力にも大きな影響を及ぼしてしまいます。

    腸管は免疫の司令塔となる【リンパ球】の7割が集まる場所。その腸管が冷えていると免疫システムを働かせるための情報が伝わりにくく、指令も送りにくくなります。
    すると、風邪や感染症にかかりやすい上、なかなか撃退もできない状態となってしまいます。

    また、腸が冷えることで免疫反応が誤作動を起こすためにアトピー性皮膚炎やアレルギー症状が起きてしまうのではないか、と言われています。
    (確かに、腸に異常があると、免疫力がものすごく低下し、アレルギー症状を起こしている人が周りにいます)

    更年期に冷えたらいけない理由2:冷えると太る

    更年期太り、痩せないと悩んでいる女性多いのでは?

  • 痩せにくい
  • 下腹部がぽっこりしてきた
  • むくみやすい
  • 便秘がち
  • 水分の循環が滞ってむくみに

    更年期に入って太りやすくなった、と思っている人はまず【むくみ】を疑いましょう。
    夕方以降靴がきつくなる人はむくみの可能性が大です。むくみとは老廃物を回収して排出する役割を持っているリンパ管の働きが冷えや運動不足によって血めぐりの悪化から低下した状態です。

    リンパ管にリンパ液が滞るとむくみが生じて、そのむくみがリンパ管や静脈を圧迫してますますむくみが悪化してしまいます。
    顔や手足がむくみやすい人は冷えを疑いましょう。

    基礎代謝が低下して痩せにくくなっている

    おなかが冷えると、便秘になりやすく、下腹部がぽっこりと出て肥満ではなくても太った印象になってしまいます。

    また、体温が1℃下がると代謝は12~20%下がる、というデータがあります。
    更年期はただでさえ基礎代謝が低下していく一方。
    加えて冷えから基礎代謝も低下してしまうため、脂肪燃焼の力も落ちてしまい、たとえダイエットをしている、としても効果が表れにくく、痩せにくくなります。

    太っている人は汗かきなのに冷えているの?

    太っている人は汗かき。ですよね。冷えとは無縁じゃないの?と思うかもしれません。
    が、脂肪は体の断熱材となっているので、脂肪が分厚いほどいったん体が冷えると温まりにくく、しかも冷えを自覚しづらいため、対応が遅れ、病気になるまで気が付かない、ということも。

    たとえのぼせ(ホットフラッシュ)を感じていても、手や二の腕に触れてみましょう。ひんやりするようなら、それは冷えている証拠ですよ。

    更年期に冷えたらいけない理由3:冷えるとブサイクに

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    加齢による肌質の低下は更年期になれば誰もが感じるもの。
    でも、冷えがそこにプラスされているかもしれません。

  • シワ
  • たるみ
  • シミ
  • 髪のパサつき・ボリュームダウン
  • 新陳代謝が停滞し、肌老化が進む

    更年期は、女性ホルモンのエストロゲンが低下してしまうため、どうしても肌の新陳代謝、髪の毛の新陳代謝は低下してしまいます。
    が、その肌のしわ、たるみ、シミ、髪の毛のパサつきやボリュームダウン。すべてが更年期によるものだけではないかもしれません。

    というのも冷えて血めぐりが悪くなり、酸素や栄養分を皮膚表面まで行き渡らせる力がダウンしてしまうと、肌にもてきめんに不調が現れます。

    肌の新陳代謝が乱れメラニン色素が定着し、シミが濃くなってしまったり、コラーゲンの合成能力が落ちて、肌のハリを保てずに、シワが深くなったり・・・。
    さらにコラーゲンの合成能力が落ちて肌のハリを保てず、シワが深くなったり。

    さらにコラーゲンが失われると、たるみも加速してしまいます。毛穴に皮脂が詰まっても排出がうまくいかないために大人ニキビを繰り返してしまう原因にもなります。

    栄養と潤いが不足して乾いた女となって・・・・

    皮膚への栄養が行き渡らないと肌の角質層の潤いを保つセラミドなどの成分も不足しがちになります。
    外側からいくら保湿しても保湿成分を蓄えることができないので、特に冬になると乾燥による痒みが起こりやすくなります。

    冷えで血めぐりが悪くなれば、唇や爪の色も悪くなり、乾燥してひび割れることもあります。

    また、髪の毛にも栄養が行き届かないのでぱさつきや白髪が目立つように。
    更年期によるホルモン減少+冷えは老化した肌に、潤いを失った髪の毛に・・・。

    それだけ冷えは恐ろしい、ということなのです。

    クマがある人は冷えている証拠?

    目の下の【クマ】も冷えのあらわれ。目元は皮下脂肪も皮膚自体も薄いので、すぐ下に通っている静脈が透けて見えやすい場所です。冷えによって血めぐりが悪いと、うっ血した血液が青く透けてクマになるのです。

    青いクマは冷えのサイン。冷えのある人はクマだけではなく、目の周囲の乾燥によってちりめんシワもできやすく、老けたり疲れて見えやすいので気を付けましょう。

    更年期に冷えたらいけない理由4:女性ホルモンの乱れが悪化

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    更年期はエストロゲンの減少からさまざまな不調を心身に起こします。
    でも、今起きている その不調はもしかしたら、更年期だけが原因ではないのかもしれません。

    冷えると子宮の血管も縮み、子宮の動きが鈍くなり、生理の経血や子宮内膜の排出がスムーズにいかなくなることがあります。
    すると、排出を促すために、子宮が無理に強く収縮し、生理痛がひどくなります。
    冬場に生理痛がひどくなる傾向のある人は体が冷えている証拠。

    また冷えで卵巣の血流が悪くなり、卵巣機能が低下すれば、更年期にプラスされるわけですから、女性ホルモンの分泌はさらに乱れ、結果的に、更年期障害の症状が悪化してしまうことにもなるのです。

    冷えや痛みを実感する生理の時だけではなく、日ごろからつねに【温め対策】をすることで、生理痛が改善されたり、更年期障害の症状が軽減されることも多いのです。

    更年期に冷えたらいけない理由5:冷えると鬱傾向に

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    更年期には【更年期鬱】という症状が現れる人も少なくありません。
    これは更年期による女性ホルモンの乱れが自律神経にも影響を与えてしまう起こること。

    でもそれは冷えも影響している可能性もあります。
    冷えは睡眠の質の低下をまねき、それにより昼夜のメリハリがなくなり、気力もダウン。鬱状態になりやすくなるのです。

    また肉体的、精神的ストレスが続くと血管を収縮させる交感神経が優位になり冷えをまねいてしまいます。
    さらに自律神経は限界までいくと真逆にひっくり返る性質があり、交感神経が限界まで張り詰めると一転して副交感神経が極端に優位な状態に。すると血管が拡張し、体から熱を放熱。するとますます体が冷える状態になってしまいます。

    冷えると心の状態を元気に保つセロトニンなどの神経伝達物質もうまく作ることができず、ストレスにより冷えから鬱状態になってしまうこともあるのです。

    体を温めることによって元気が戻り、抗鬱剤を少しずつ減らしていけた、という人もいるほど熱は心のエネルギーとしても大切なものなのです。