手の指先がしびれる、ものを落としてしまう。
このようなことが日常生活で多くみられるようになったら
手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)」かもしれません。

手根管症候群とは

手のしびれの原因として、特に多い代表的な病気です。
手根管症候群は、手のひらの付け根部分にある「手根管」の
中の正中神経が圧迫され、麻痺が生じるものです。
更年期以降の女性に多いといわれる病気です。

手根管とは

手根管は手のひらの付け根部分をいいます。

手の神経(正中神経)は束になり、手首の手根管という管を通ります。
この管の中で神経が圧迫されることにより「痺れ」、「痛み」が生じ、さらには指の動きが悪くなる、筋肉の委縮が起こる
といった症状が起こります。

手のしびれは親指から薬指の4本に強く、なぜか小指は決してしびれない、という特徴があります。
なぜこのようになっているのかというと、手根管部で圧迫される正中神経は親指から薬指(正確にいうと薬指の半分)を支配しており、
小指と薬指の小指側半分はもう1つの尺骨神経に支配されていることによるものです。

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*http://www.miwaclinic.net/CTS.html

手根管症候群の原因

手根管の部分が狭くなり、神経が圧迫されて起こるのが手根管症候群です。
しかし、原因的には不明なことが多く、原因がわからない場合には両方の手がしびれることが多いようです。

手根管症候群は女性に多く、妊娠や出産と関連し症状が出ることもあるため、女性ホルモンとの関係があるのではないか、と言われています。
つまり女性ホルモンとの関係がある、ということは
更年期の女性ホルモンが減少していることも関係してくるのではないでしょうか。

手を酷使することが明らかに手根管症候群の症状を悪化させてしまうことはわかっているため、女性の場合家事、育児などで手首を酷使していることから手根管症候群にかかりやすいともいわれています。

また、手根管症候群は糖尿病、リウマチ、腎不全、甲状腺機能低下症、自己免疫疾患と関連し生じることでも知られています。

手根管症候群の症状

正中神経が傷つくことによる特徴的な症状が現れます。

手の痺れ

指の痺れ、特に夜間・早朝に強い痺れが特徴的です。
この指の痺れ方にも特徴があります。

  • 親指から薬指半分(中指側)がしびれる
  • 4本すべてがしびれない場合もある
  • 小指はしびれない
  • 手のひらだけがしびれ、手の甲はしびれない

うちの義母も手根管症候群と診断されたのですが、指先だけがしびれる、と言っていました。

手の筋肉の痩せ

手根管症候群の症状が進むと親指の付け根の筋肉が痩せてきます。
ボタンをかける、つまむといった指先の細かい動作が困難になります。
上でも書きましたが義母はこの症状が顕著に表れていました。
夕飯時は、おはしをよく落としていました。

ここで注意したい点ですが、症状が進行しているにも関わらず、むしろ痺れが軽くなったように感じることがある、ということです。

更年期Q&A痺れというのは我慢しすぎているとだんだんと痺れが軽くなり、筋肉の委縮が進み、知らない間に進行してしまうこともあるのです。
こうなると回復は期待できません。
ですので、早期のうちに的確に診断してもらうことが大切です。

手根管症候群の診断

手根管症候群の診断をする上で、ポイントは3つ。

1.手根管症候群であるか、ないか
2.原因は何か
3.ほかの病気(頸椎の病気など)との合併はないか

手根管症候群かどうか

手の痺れの特徴から手根管症候群を疑います。
典型的な手根管症候群であれば話だけでも診断されるようですが、そうではない場合、いろいろな診断を行うようです。

手根管症候群を疑われる場合には、以下のようなポイントで診察を行なわれます。簡単にご紹介します。

  • 痺れが親指から薬指の半分であるか
  • この部分の感覚に障害があるかどうか
  • 小指とくすり指の半分(小指側)には感覚異常がない
  • 親指の付け根の筋肉(特に外側)が痩せていないか

次に手根管症候群かどうか、の診断によく使われるものが2つあります。

ティネル徴候

これは、手首の真ん中(手根管のある部分)を診察用ハンマーで軽くたたくと、親指からくすり指にかけてしびれが走る、というもの。

ファーレン徴候

これは、胸の前で、手の甲と手の甲を合わせる姿勢をとると、手のしびれが強まる、というもの。

手根管症候群の治療と日常生活治療

痺れというのは、自覚症状もあり、また、死活問題ではないため、軽く考えてしまいがちですが、進行すると手術をしなければならないこともあるため、適切な対応をし、うまく付き合っていくことが大切です。

手首の安静を保つ

ギブスやサポーターを使い、手首をあまり曲げたり伸ばしたりしなくても済むようにします。
手首を安静に保つこと、特に夜間や睡眠中は固定用具を使うと有効です。

飲み薬(消炎鎮痛剤、ビタミン剤)の使用

症状が強い場合や痛みが強い場合には痛み止め(消炎鎮痛剤)を使います。
ビタミンB12製剤も有効です。
義母はこのビタミン剤を医師から処方されて飲んでいましたが、だいぶ楽になっていたようです。

ステロイド注射

手首の手根管に、直接ステロイド剤を注射する治療法です。
しかし神経を誤って傷つけてしまう場合もあり得るため、繰り返しは行われないようです。

手術治療

症状が強い場合、または長期、慢性的になっており手指の運動困難や感覚が高度に低下している、親指の根本の筋肉が痩せてしまっている、といった場合には手術の選択も行われることがあります。

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