シェーングレン症候群は、あまり聞いたことのないものですよね。
男性よりも圧倒的に女性に多く、中年以降の女性に多くみられる傾向がありますが
若年層にも少なくはありません。
シェーングレン症候群とは
シェーングレン症候群の患者数は年々増加傾向にあり、病気自体に気が付いていない人が非常に多い、と言われています。
更年期の口が乾く、目が乾くといったドライ症状と非常に酷似しており
年齢的にも更年期世代が多いため、気が付かないことが多いのもうなづけます。
しかし、体のあちらこちらが乾燥してしまったり、
気分が落ち込んでしまったりもする【シェーングレン症候群】が原因となっている場合もあります。
シェーングレン症候群の症状は、これまた更年期同様、多岐にわたり個人差が大きいことも特徴なんです。
シェーングレン症候群の代表的な症状
シェーングレン症候群の代表的な症状と特徴について紹介していきましょう。
シェーングレン症候群の特徴は乾燥症状
シェーングレン症候群の最も代表的な症状はドライマウスとドライアイ。
つまり目と口が乾くのです。
唾液腺や涙腺の働きが低下してしまい、唾液や涙が出にくくなります。
ドライマウスとドライアイの自覚症状は人それぞれですが
症状が悪化すればするほど、日常生活にも多くの障害を生じるようになってしまいます。
一般的なシェーングレン症候群の症状
ドライ症状以外の症状では関節痛や倦怠感、疲労感など全身症状が多くみられます。
何事にもやる気が起きない、関節痛、倦怠感などは更年期の症状と非常に似ていますよね。
シェーングレン症候群は全身の外分泌腺の働きが低下してしまうため
体のあちらこちらに乾燥症状が起こります。
さらに、汗も出にくくなるため、皮膚の乾燥、鼻の乾き、膣の乾燥から性交痛が起こることも。
唾液腺の1つである耳下腺に炎症が起こると耳の下辺りが腫れてしまうこともあります。
輪の形をした赤い湿疹(環状紅斑)が体に出ることがあり、
寒さが原因によって指先が白くなる⇒紫、赤みを帯び、しびれ、こわばりを生じるレイノー現象が起こることも。
シェーングレン症候群の原因は何?
シェーングレン症候群は【自己免疫疾患】の1つである、ということがわかっています。
免疫システムが異常をきたし、自身の正常な組織を攻撃する病気です。
シェーングレン症候群の場合には、さまざまな要因が重なり免疫システムに異常をきたし発症する
と考えられているものの、原因は完全には解明されていません。
唾液や涙が出なくなり乾燥してしまう原因も
この免疫システムが涙腺と唾液腺を攻撃してしまうため、涙腺と唾液腺に慢性的な炎症が起こり機能低下の結果、涙や唾液が出にくくなるのです。
シェーングレン症候群の合併症
シェーングレン症候群は単独で発症する場合と
膠原病と合併して発症する場合があります。
また関節リウマチに合併することが特に多く、リウマチの症状と合わせ乾燥症状が起こることもあります。
シェーングレン症候群を改善するためには
シェーングレン症候群は普段の何気ない行動を
意識的に変えることで、不快な日常生活を改善することが可能です。
* やわらかいブラシを使って歯や舌を清潔に保ち、虫歯に気をつけましょう。
* 食事のときはよく噛みましょう。
* 外出時は水分や目薬を持ち歩くようにしましょう。
* 部屋の湿度に気をつけ、保湿を心がけましょう。
* 熱いお湯での入浴はひかえましょう。
* 軽い運動をし、ストレスをためないようにしましょう。
* 食べ物が飲み込みにくいときは、 次のような工夫をするとよいでしょう。※
o 汁物にとろみをつける。
o 柔らかく煮る。
o 一口大に切る。
o ゼリー、プリン、豆腐、茶碗蒸し、とろろ、あんかけなど、飲み込みやすい食品を取り入れる。
病気と上手に付き合うことが大切です
シェーングレン症候群は全身の臓器の病気ではないため
頻度は少ないものの、長期間に渡り慢性的になる病気です。
シェーグレン症候群は全身の臓器病変の頻度は少ないものの、長期にわたり、慢性的に経過する病気です。
更年期の場合には、婦人科で血液検査をすればわかりますから、「自分はどちらなんだろうか」と疑問を感じたら、先に婦人科に受診してみたほうがよいでしょう。
基礎体温を計測していれば、グラフも持参しましょう。