40歳以上に多い微小血管狭心症。
特に中高年女性に多いといわれています。
40歳以上といえば、まさに更年期の期間ですよね。
寝ている間、またはちょっと横になった時
胸がチクンと痛むこと、ありませんか?

更年期時期の女性の胸痛と症状

胸の痛み40代後半から50代後半にかけて、狭心症?と思われる胸痛を経験する女性は少なくありません。

狭心症の痛みは胸の中央から左の範囲で、キューッと締め付けられる感じ、胸から始まりあごから歯にかけて痛む、胸から始まり左腕のほうにかけて痛む、胸から左の肩甲骨に突き抜けるように痛む、胸が重く圧迫される、みぞおちが痛むといった表現がされます。

微笑血管狭心症の症状・特徴

  • 胸部圧迫感
  • 針でさすような痛み
  • 息が詰まるような痛み
  • 締め付けられるような痛み

このような場合、一時しのぎ的ですが痛みが強いときには水を飲むと治まる場合があります。

更年期障害の症状の中でも動悸や息切れなど様々な症状は出ます。
しかし、そういった症状の影に思わぬ病が隠れていることがあります。
診察で心肺に異常なしと出た場合にはホルモンバランスを疑ってみてください。

また微笑血管狭心症の痛みの期間として以下のような特徴があります。

  • 胸痛発作は労作時と限らず、安静時・就寝時に起こることが多い
  • 胸痛発作回数は、年数回という人が最も多く、中には頻繁に起こり、かつ、年余にわたって続く方もいる
  • 胸痛は数分で消失することが多いが、半日・一日継続することもある。
  • ニトログリセリンが効きにくい
  • 心身の過労、不眠、寒冷が誘因となりやすい

うつ症状を引き起こす危険性も

更年期Q&Aこれらの症状と特徴は本人が胸痛で苦しんでいるにも関わらず、医師から正しく診断を得られないこともあり、不安やうつ症状を引き起こすこともあります。
特に更年期には不安感・鬱症状もみられるため、本人はつらいことと思います。

微小血管狭心症はまだ認知度が低い

冠状動脈の造影検査で見えない大きさの微小冠血管の異常によって生じるので、知らない医者は原因を特定できず、幾つもの病院を訪ねる微小血管狭心症の人も多いと推察されます。

本人が胸痛で苦しんでいるのに、「異常なし」「気のせい」などと見逃されてきたケースも多いと言います。

woman_think実は私もこの症状があり、家族が病院にかかっている際についでに、こんな症状があるんですが・・と相談してみました。
その時には、年齢もまだ若い(40代前半でした)から狭心症は考えづらい。
逆流性食道炎ではないか、と言われました。
逆流性食道炎は微小血管狭心症と併発している人も多いようです。

微小血管狭心症は1980年代に米国の研究者が、このような女性の患者さんたちの胸痛が、心臓の表面を走っている大きな血管(冠動脈)の狭窄や収縮を原因とするのではなく、心筋の中を走る細い血管の攣縮(血管が強く収縮すること)や閉塞などの異常が起こる可能性を示唆し、「微小血管狭心症」と名づけました。

微小血管狭心症の診断

診断はこのような臨床症状の特徴に加え、診察所見、胸部X線、血液検査(血算、生化学)、安静心電図、心臓超音波検査、24時間ホルター心電図、運動負荷心電図からの所見を加味して行なわれます。
器質的虚血性心疾患が疑われる場合は、非侵襲的検査(身体に負担をかけない検査)としては心臓核医学、高性能CT(マルチスライスCT)、MRI、PETなどの画像診断検査を、侵襲的検査(身体に負担のかかる検査)としては心臓カテーテル検査を行なわれます。

微小血管狭心症と狭心症の違い・微小血管狭心症は狭心症を起こす確立が高い

微小血管狭心症のような胸痛のある人と全くない人を追跡調査した結果、
胸痛がある人のほうが後に狭心症を起こす確率が高い
ということがごく最近のアメリカの研究で明らかになっています。

では微小血管狭心症と一般的な狭心症の違いはなんでしょうか。

狭心症は男性に多く、また痛みの持続時間が違います。
狭心症⇒4~5分すれば痛みが消える
微小血管狭心症⇒10分、20分 人によっては半日以上

さらに、微小血管狭心症は読書中や就寝中、と安静時に起こりやすいのです。
私も痛むのはほぼ就寝中が多いです。

また痛みが起こる頻度も人によりますが、3か月に1回くらいが最も多いパターンで、中には1年に1回しか起こらない人もいれば、逆に何回も起こる人もいます。

ニトロは微笑血管狭心症には効果がない

更年期Q&A狭心症との一番の違いは、狭心症の一般的な薬に「ニトログリセリン」がありますが、微小血管狭心症は名の通り細い血管なので、ニトロは細い血管を拡張しないため、微小血管狭心症には効果がありません。
閉経前に女性には男性によくみられる狭心症がほとんど起こらないのは、女性ホルモンであるエストロゲンには血管を拡張させる働きがあるため、閉経前には起こりづらかったのです。

微小血管狭心症はホルモン(エストロゲン)の作用

狭心症は男性に多く、心臓表面の太い血管が動脈硬化で詰まって起こります。
しかし微小血管狭心症は心臓の筋肉(心筋)の中を走る細い血管が異常に収縮して狭くなること、などが原因で起こります。

この細い血管が狭くなる原因に深く関与しているのが女性ホルモンです。
更年期には女性ホルモンが急激に減少しはじめます。

微小血管狭心症の引き金となるもの

更年期Q&Aこの更年期に微小血管狭心症は起こりやすいといわれ、胸痛発作の引き金になるのが、過労、ストレス、睡眠不足などです。

更年期の女性の10~20%が微小血管狭心症が原因の胸痛を経験しており、早い人では30歳代で自覚症状が出始める人もいます。

微小血管狭心症は大きな血管が詰まるわけではないので、命には直接かかわりませんが、少数ながら2年以内に虚血性心疾患で入院する人もいるデータがあります。

更年期は微小血管狭心症が起きやすい

更年期を迎え、卵巣機能の低下、エストロゲンが減少し始めると、血管を拡張する作用がなくなり、次第に血管が収縮しやすくなります。
そのため、身体の変わり目である更年期前後の女性に微小血管狭心症の発症頻度が高くなります。

微小血管狭心症が進行すると胸痛はさらに強くなり、また疲れやすくもなります。
ひどくなると寝たきり状態になってしまうこともあります。

閉経から65歳ぐらいまででは、脳血管障害、虚血性心疾患など高脂血症や動脈硬化に起因する疾患の増加がみられます。
また、閉経後10年頃までは急激な骨量減少がみられ、これらはともにエストロゲン低下が関与しているといわれています。

千葉県立東金病院受診者調査よると、胸痛の発症年齢は、初発年齢は更年期の50 歳代前半に集中していたとのことです。