更年期障害の症状として
骨粗鬆症や動脈硬化になることもあることはご存じでしょうか?
女性は骨粗鬆症になることが多い、と言われています。
私の母ももれなく、骨粗鬆症と診断されたのは60歳を過ぎてからです。
これは更年期によるエストロゲンの低下・不足によることが
大きいのです。
骨粗鬆症と女性ホルモンの分泌の関係
更年期に入ると卵巣の機能低下により女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少します。
やがて分泌は止まります。これが閉経です。
このエストロゲン不足の状態が長期間続くことで骨粗鬆症や動脈硬化症といった重い病気を引き起こす要因になることがわかっています。
エストロゲンの減少によって起こる主な症状は
「更年期障害の症状 一覧」でも記載していますが、更年期は一般的に45~55歳と言われその後期に主に起こりやすくなる上に病気であることをすぐには気付けないものが
骨粗鬆症や動脈硬化症などです。晩発症状 とも言われます。
晩発症状は老年期障害とも言われ、60歳以降に発症することが普通です。
エストロゲン不足により老年期障害(晩発症状)が起こる理由
理由としては、エストロゲンは女性ホルモンとして生理を起こすだけのためのものではなく、骨からカルシウムが出ていくのを防止したり、悪玉コレステロールの値を下げる、とさまざまな機能を持っています。
つまり、エストロゲンの分泌量が低下し不足することによって、さまざまな機能低下が起こり、老年期障害をも引き起こしてしまうのです。
エストロゲン不足から起こる骨粗鬆症
骨粗鬆症は老年期になると女性だけではなく、男性にも等しくかかる病気の1つです。
私の母も60歳を過ぎてから、骨粗鬆症と診断され、それまで楽しんでいたスポーツもなかなか手軽にできなくなってしまいました。
骨粗鬆症とは、本来であれば骨を作るカルシウム成分が少なくなり骨密度(骨量)が低下してしまう病気です。
通常の成人の骨は健康的でパンパンに張っている状態ですが、骨粗鬆症の人の骨はスカスカで非常にもろくなっています。
お年寄りに骨折が多いのも、この骨粗鬆症が原因であることが多いのです。
(余談ですが、亡くなった方を火葬場でお骨を拾うとき、骨がスカスカになっている人が多いのも骨粗鬆症です。)
骨粗鬆症の人が最も注意すべき部位は大腿骨頸部です。
大腿骨頸部とは股関節と太ももの骨をつないでいる骨で、大腿骨頸部を骨折してしまった高齢の方の1/3はそのまま寝たきりになってしまうと言われています。
寝たきりになると認知症も発症しやすくなりますので、注意が必要です。
⇒詳しくはコチラの記事を:閉経後は骨粗鬆症の危険大!エストロゲンが減って骨は急にスカスカに
エストロゲン不足から起こる動脈硬化症
動脈硬化とは体の中の血管の壁部分が通常時と比べ非常に厚くなり、血管が狭くなってしまう病気です。
血液中に悪玉コレステロール(LDL)が過剰に存在すると発生してしまう病気です。
狭心症や心筋梗塞、脳梗塞も動脈硬化症の一種で、上記に書いた症状が脳の血管で起こるのか
心臓の血管で起こるのか、の違いであり、よってLDLは非常に危険な物質になるのです。
エストロゲンには悪玉コレステロール(LDL)を減少させる作用や、LDLを減少させる善玉コレステロールを増やす作用もあります。
また血管を柔軟にする作用もあるのです。
このような作用があるエストロゲンですが、加齢とともにその分泌量は減少していきます。その結果、動脈硬化症を発症するリスクは更年期以降非常に高くなると言われています。