0378eb7cdaf2481e8c77fd6e7cb79d98_s
生理のある女性であれば 誰もにやってくる【閉経】
閉経する年齢やプロセスには個人差もあるものの、閉経は誰にも平等でやってくるものですよね。

日本人女性の平均閉経年齢は50歳と言われています。
初潮から閉経までがほぼ35年から40年近く。
そして閉経後は平均寿命まで約30年。

40年近く受けてきた女性ホルモンの恩恵を今度は約30年なしで過ごさなければなりません。

そして気になるのが【閉経後はどうなるのか?
ということ。
特に更年期障害の症状が重い方は閉経後はどうなっちゃうんだろう・・・楽になるんだろうか・・・と気になるのではないでしょうか。

閉経後に起こる身体の変化

閉経後5年間も更年期と言われる期間に入ります。

閉経すると一番変わるのは、当たり前ですが生理が来なくなること。
しかし、生理は突然なくなるものではないので、徐々になくなってくる期間を経て体も慣れてきています。
が、完全に閉経すると、女性ホルモンはほとんど分泌されなくなります。

女性ホルモンの分泌がなくなると、さまざまな弊害が起こるようになります。
確かに女性ホルモンはたくさんの働きをしてくれていたので、なくなれば起こって当然なんですよね。
更年期障害の諸症状以外にも、女性ホルモンが担っていた働きサポートがなくなるので
体にも不具合が起きてくるのです。

閉経後の体調変化

さらに、更年期の期間は閉経後も5年間は続くので
閉経と共に更年期障害がなくなるわけではないのです。

それだけに、閉経後は更年期以上に体調管理に気を付けなければならなくなります。

<閉経後に起こりやすい身体の変化例>

  • 膣や尿道粘膜の萎縮
  • ⇒尿道炎や尿漏れ、老人性膣炎、性交痛が起こりやすくなります。

  • 皮膚トラブル
  • ⇒肌の乾燥やシワ、たるみ。粘膜系のトラブル、乳房の萎縮などが起こりやすくなります。

  • 骨粗鬆症
  • ⇒骨を維持するカルシウム量を調整する働きが減退します。

  • 心臓・血管関係のトラブル
  • ⇒血中コレステロールの増加を抑制する機能が低下してしまいます。
    これにより、動脈硬化や心筋梗塞、脳の機能低下が起こりやすくなってしまいます。

    閉経すると発症しやすくなる病気

    閉経すると発症リスクの高まる病気があります。

    女性ホルモンの役割がなくなり、女性ホルモンがサポートしていたものがなくなるため
    以下のような症状が発症しやすくなるのです。

  • 肌の潤い⇒ハリがなくなり、たるみシワの増加
  • 髪の毛を美しく健康に保つ⇒髪の毛が乾燥しパサパサになりやすくなる
  • 血圧上昇の防御⇒高血圧症になりやすくなる
  • コレステロール上昇の抑制⇒動脈硬化を引き起こしやすく
  • 骨密度を安定化⇒骨粗鬆症になりやすくなる
  • 動脈硬化を防ぐ⇒心臓病、脳卒中のリスクが高くなる
  • 冷えにくい体作り⇒冷え性になる、または重くなりむくみやすくなる
  • 自律神経の安定⇒イライラ、鬱症状が出やすくなる
  • 免疫能力を保つ⇒風邪などの病気にかかりやすく
  • 例をあげるとこれだけのことが出てくるのです。
    私の母は、閉経後、冷え性・偏頭痛、関節痛、骨粗鬆症になりました。
    私の周囲でも閉経した方は、冷え性、下肢静脈瘤、腰のヘルニア、関節痛などに悩まされている方が多いです。

    閉経後は女性ホルモンによって得られていた力がなくなるため、多少の無理も今までは大丈夫だったかもしれませんが、閉経以降は老化速度も早まり、今まで以上に健康維持のために生活習慣を見直す必要が出てきます。

    閉経後に注意したい病気を覚えておきましょう

    閉経以降、リスクの高くなる病気についていくつか紹介しておきます。

  • 糖尿病
  • 糖尿病は生活習慣病の1つで、若い人では男性がなりやすいものの
    閉経以降は女性もリスクは男性と同様になります。

    肥満・運動不足・ストレスなどが重なりおもくなると発症リスクが高まります。
    喉がやたらと乾く、疲れやすい、体がだるい、甘いものが異常に欲しくなる、尿量が多い
    という症状が出てきたら要注意。
    病院で血糖値検査をして診断を受けたほうがよいでしょう。

  • 高血圧
  • 閉経すると、血圧を安定させていた女性ホルモンが減少、消滅してしまうため
    血中コレステロールを増加させてしまいます。
    閉経後に血圧が急激に上昇したら特に注意が必要。
    コレステロール値が高く、高血圧になると動脈硬化が起こりやすく
    命に危険のある大動脈解離などになってしまうリスクが高くなります。

  • 骨粗鬆症
  • 閉経以降、女性に急増するのが骨粗鬆症。
    骨を強くする働きのあった女性ホルモンがなくなると、骨密度は急激に減少します。
    骨は目に見えないため、気が付かないうちにどんどん進行してしまいます。
    骨量測定を定期的に受け、チェックするようにしましょう。

  • 子宮体がん
  • 子宮頸がんは30~40代の前半にかかる方が多いのですが
    閉経後は子宮体がんのリスクが高くなります。
    閉経したにも関わらず出血がある、という場合には要注意。
    年に一度は子宮がん検診を受け予防、早期発見に努めるようにしましょう。

  • 子宮筋腫・子宮内膜症
  • 子宮筋腫は閉経すると徐々に小さくなる場合が多いので、閉経くらいの女性にできた子宮筋腫は摘出されずに要経過観察、となることが多いのですが、子宮内膜症を併発している場合には別です。
    ホルモンバランスの急激な変化から急に悪化してしまうケースもあります。
    閉経したのに痛みや出血があるときにはすぐに診察を受けるようにしてくださいね。

  • 乳がん
  • 閉経以降も乳がんは注意が必要。
    乳がん検診は必ず受けるようにしましょう。

    閉経後の症状に個人差があるのはなぜ?

    更年期障害と同様、閉経以降の諸症状に個人差があります。
    ほとんど更年期の症状を感じない人もいれば心身ともにどうしようもなくつらいという人もいます。

    人によって、これほど閉経後の体調に違いが出る原因はなんなのでしょうか。

    閉経後の症状が人によって異なる理由とは

    閉経以降、症状に大小の差が出てしまうのは3つの要因が重なり、複雑に絡み合うことが原因。
    ひとつだけ「これが原因ですよ」というものはないのです。

  • 卵巣機能の低下
  • 環境因子によるストレスなど
  • 本人の気質、性格
  • 閉経以降の健康維持を考える

    閉経以降の症状は千差万別で個人差がありますが
    健康的にイキイキと過ごしたいですよね。

    そのためにも、症状を引き起こしてしまっている要因を、きちんと理解し受け入れること。
    その上で原因となるものを少しずつ改善してゆくことで
    症状が緩和されることも多いのです。

    例えば、女性ホルモンの減少が一番大きな原因ならば
    ホルモン補充療法を受ける、女性ホルモン様サプリメントを摂るなどで大幅に改善することは可能です。
    漢方薬を利用してもよいでしょう。

    また、日々の食生活を見直すことで、症状が緩和されることもあります。
    自分に合った取り組み方をすることで閉経後の健康も大きく変わってきますから、まずは自分の性格や今体で起きていることを見直し理解し、改善につとめることが大切です。