シェーングレン症候群は、男性よりも圧倒的に女性に多い病気です。
なかでも中年の女性に多くみられる傾向がありますが、若年者や高齢者も少なくありません。
シェーングレン症候群とは
患者さんの数は年々増えており、病気に気づいていない人が非常に多いといわれています。
更年期のドライ症状にも似ています。
「口の中がネバネバする」
「目がゴロゴロする」
「なんだか疲れやすくて、やる気が出ない」・・・など
このような症状は更年期にも表れる症状ですよね。
ですから、年齢的に40代~50代の方は、このような症状を更年期と思うことが多いのではないでしょうか。
しかし、体のあちこちが乾燥したり、気分が落ち込んだりする“シェーグレン症候群”という病気が原因になっていることがあります。
シェーグレン症候群の症状は非常にさまざまで、個人差が大きいことが特徴です。
シェーングレン症候群の代表的な症状
乾燥症状
シェーングレン症候群のもっとも代表的な症状はドライマウス(口の渇き)とドライアイ(目の渇き)です。
唾液線や涙腺の働きが低下し、唾液や涙が出づらくなります。
ドライマウスとドライアイの自覚症状は人それぞれで、症状がひどくなればなるほど、日常生活にも多くの障害が生じるようになります。
一般的なシェーングレン症候群の症状
関節が痛い、疲れやすいといった全身症状が多くみられます。
また、何事にもあまりやる気が起きないこともあり、更年期のうつ症状にも似ています。
シェーングレン症候群は全身の外分泌腺の働きが低下するために、体のあちこちに乾燥症状がみられることがあります。
汗が出づらくなることから皮膚の乾燥や鼻の渇き、膣の乾燥から性交痛が起こることもあります。
唾液腺のひとつである耳下腺に炎症がおこり、耳の下あたりが腫れることがあります。
輪の形をした紅い皮疹(環状紅斑)が体に出ることがあり、寒さが原因から指先が白くなり、その後、紫色や赤みを帯び、しびれやこわばりを生じるレイノー現象もみられることがあります。
シェーングレン症候群の合併症
シェーングレン症候群は単独で発病する場合と、膠原病と合併して発病する場合があります。
関節リウマチに特に合併することが多く、リウマチの症状と合わせて、乾燥症状が起こることがあります。
シェーングレン症候群の原因
シェーグレン症候群は「自己免疫疾患」の1つであることがわかっています。
免疫システムに異常が起き、自身の正常な組織を攻撃してしまう病気です。
シェーングレン症候群はさまざまな要因が重なり合って免疫システムに異常がおこり、発症する、と考えられていますが、原因は完全には明らかになっていません。
唾液や涙が出にくくなるメカニズム
シェーグレン症候群は異常な免疫システムが、自身の涙腺と唾液線を攻撃することから、涙腺と唾液線に慢性的な炎症がおこり、機能低下し、唾液や涙が出づらくなります。
シェーングレン症候群の改善
シェーングレン症候群は普段の何気ない行動を意識的に変えることで、不快な日常生活を改善することができます。
* やわらかいブラシを使って歯や舌を清潔に保ち、虫歯に気をつけましょう。
* 食事のときはよく噛みましょう。
* 外出時は水分や目薬を持ち歩くようにしましょう。
* 部屋の湿度に気をつけ、保湿を心がけましょう。
* 熱いお湯での入浴はひかえましょう。
* 軽い運動をし、ストレスをためないようにしましょう。
* 食べ物が飲み込みにくいときは、 次のような工夫をするとよいでしょう。※
o 汁物にとろみをつける。
o 柔らかく煮る。
o 一口大に切る。
o ゼリー、プリン、豆腐、茶碗蒸し、とろろ、あんかけなど、飲み込みやすい食品を取り入れる。
病気と上手に付き合うことが大切
シェーグレン症候群は全身の臓器病変の頻度は少ないものの、長期にわたり、慢性的に経過する病気です。
以上のように、シェーングレン症候群は更年期障害の症状と非常に酷似している病気です。
・口の渇き(ドライマウス)
・涙腺の渇き(ドライアイ)
・膣の乾燥による性交痛
・うつ症状
更年期の場合には、婦人科で血液検査をすればわかりますから、「自分はどちらなんだろうか」と疑問を感じたら、先に婦人科に受診してみたほうがよいでしょう。
基礎体温を計測していれば、グラフも持参しましょう。