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近くを見ているのに、焦点が合いにくかったり、夕方になると目が疲れてきたり。
目が疲れてるんだな】と疲れ目のせいと思っている、そのピントのあいにくさは
老眼の始まりかもしれません。

老眼は高齢者がなるもの、と思っていませんか?
いえいえ、40代超えたら老眼はもう始まっているのです。
まだまだ先のこと、なんて油断せずにきちんと知っておきましょう。

こんな症状はありませんか?

  • 夕方や夜になると目がかすむ
  • 新聞や本などの細かい文字が読みづらい
  • スマホやタブレットは拡大しないと視にくい
  • 携帯メールはつい手元から離してしまう
  • 買い物の時に商品の値段やラベルが読みにくい
  • 薄暗いレストランではメニューが見づらい
  • アイラインが上手に引きにくい
  • パソコン作業をすると目が疲れる
  • 目が熱い感じがする
  • 目が乾きやすくなった
  • 目が疲れると目の周囲や奥が痛くなる
  • 体が疲れると手元のものが見づらくなる
  • みるものの距離が変ると、すぐに焦点が合わない
  • 以前より光をまぶしく感じる
  • 6個以上当てはまると老眼の可能性があります

    0~2個・・・目はまだ若く、健康
    3~5個・・・目が疲れやすくなっている老眼予備軍。早めのケアが必要。
    6~9個・・・老眼のサイン。日常生活が不便ならば本格的な老眼対策を。
    10個以上・・日常生活に支障が出ているはず。眼科できちんと診察を

    老眼はじわじわと始まり40代半ばにはほとんどの人に症状が

    老眼は更年期に入ると、ほとんどの方が「あれ?」というように感じるように。

    実は早い人で30代後半から始まっているのです。

    人間の目は生まれた時をピークに、少しずつ老化が始まっています。
    10~20代では目を酷使しても回復も早いため、目の疲れなどの不快感はあまり感じません。
    が、30代後半になると疲れ目の症状が強くなり
    40代に入ると携帯メールやメニューなどの細かい文字が見づらくなったり、目がかすんだり、と多くの人が眼の焦点の合いにくさを自覚するようになります。

    50代以降は手元を見るときに、老眼鏡などが手放せなくなるように・・・。

    眼のピント調整は自律神経が司っているので、老眼対策をしないでいると、自律神経に負担がかかり頭痛や肩こり、だるさなど 更年期症状に似た症状が起こるように。

    「単なる疲れ目」と見過ごさないで早めに目のケアを始めてあげることはもちろん、体もいたわることにつながるのです。

    老眼は目のピント調節機能が低下するのが原因

    モノを見るとき大きな役目を果たすのが眼の中にある「水晶体」。
    水晶体はカメラのレンズのようなもので、近くを見るときは水晶体を厚くし、遠くを見るときは薄くして、網膜でピントを合わせています。

    この水晶体の厚さを変えているのが「毛様体筋」という筋肉です。
    毛様体筋が伸びたり縮んだりするのにひっぱられ水晶体の厚さも変化しています。

    若い頃は水晶体が柔軟なので毛様体筋の動きにスムーズについていくことができたのです。
    しかし水晶体は年齢とともに硬くなり、自在に厚さを変えられなくなります。
    そのため、近くにピントが合わせられなくなります

    これが老眼なのです。

    老眼の素族な疑問

    老眼は近眼の人はなりにくく、遠視の人はなりやすい、というのは本当ですか?

    老眼は加齢とともに進行するため、同じ年齢であれば、水晶体と毛様体筋はほぼ同じように老化します。
    ただ、近眼の人は知覚のものが見えやすく、遠くのものが見づらいのが特徴なので、老眼が進んでも、元々近くが見えやすいため、老眼に気が付きにくいのです。
    遠視の人は遠くのものが見えやすく、近くが見えにくいのが特徴。元々近くが見えづらいのに、老眼が始まればさらに近くが見えづらくなるので、早く気が付きやすいのです。

    老眼の進行を遅くする方法はありますか?

    老眼の進行を遅くする方法は現状ありません。が老眼の症状を自覚するのが早いかどうか、には個人差もあります。
    デスクワークが多く、手元を良くみる機会のある人は目の疲れを感じやすく、老眼が進んだように感じる傾向があります。
    そのため「目を疲れさせない」ことが一番の老眼対策です。
    老眼で日常生活にも支障をきたすようになったら、老眼鏡などできちんと矯正することが大切です。

    老眼はいつまで進行するのでしょうか?

    老眼を自覚するようになると年齢とともにどんどん進んでいる気がしますよね。
    2,3か月くらいで手元の見え方がかなり違ってくる人もいるほどです。
    一般的には60歳になると老眼は進みきった状態になります。しかし、水晶体自体の老化は進行するため、その後は水晶体が濁る白内障などの病気が重なることで見えにくい、と感じる場合もあります。

    老眼かも!と感じたら

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    疲労感や見えにくさを感じたら眼科で検眼を受けましょう

    老眼は残念ながら我慢していてもよくなることはなく、年齢とともに症状が強くなります。
    目が疲れたり、小さな文字や手元が見づらいと思ったら我慢せずに眼科を受診しましょう。

    検眼してもらったり、角膜や水晶体、網膜の状態をチェックしてもらうと、老眼の進行度だけではなく、近眼や遠視の変化もわかります。

    必要に応じてメガネやコンタクレトレンズを調整したり、老眼鏡などで強制したりすると、見えづらさや目の疲れはぐんと楽になりますよ。

    40代以降は目の病気も増えてきます

    40代以降は目の病気も増えてきます。
    しかも、なかには自覚ににくく、気が付いた時には症状がかなり進んでいる場合もあるのです。
    そのような目の病気を早期発見するためにも40歳を過ぎたら、健康診断を年に1度受けるのと同じように眼の健康診断もするようにしましょう。

    最近は「眼科ドッグ」という一般的な視力検査だけではなく、目の動きや涙の量の検査などを行い、目の健康を総合的に調べてくれる眼科もあります。

    老眼世代に多い目の病気

    【加齢黄斑変性】
    光を感じる網膜の中心にある「黄斑」という部分が加齢で変性してしまう病気。
    視野の中心に発生するためピントを合わせたい部分が歪み、モノが見えにくくなります。
    レーザー治療や薬物療法で視力が回復することもありますが、完全には戻すことは難しい病気です。

    【緑内障】
    視野の一部が欠けたり、見える範囲が狭くなる病気で、詳しい原因は不明です。
    患者数が多く40歳以上では20人に1人がかかる、といわれています。
    片方の目が見えにくくても、反対側の目が補うため、自覚したときには症状が進んでしまっていることも。
    日本人の失明原因の1位でもあるのが緑内障。
    定期的な検査での早期発見が欠かせません。

    【白内障】
    眼のレンズになる水晶体が加齢によって濁ってくる病気。
    視界がかすんだり、モノが2重に見えたり、まぶしく感じるのは白内障の初期症状。
    放っておくと視力の低下が進みます。
    治療は濁った水晶体を取り除き、人口の眼内レンズを入れる手術となります。

    老眼が気になりだしたら目のために心がけたいこと

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    まめに定期健診を受けましょう

    メガネやコンタクトを使用している人は眼科で定期的に検診を受け、度数の合ったものを処方してもらいましょう。
    検眼しないで同じ度数のものをネットなどで購入する人もいますが、いつの間にか合わなくなっていて、疲れ目につながることがあります。

    また眼科に通う習慣があれば老眼に気が付いたときに早めに相談することも可能。体と同じように年に一度は目の検診に行くようにしましょう。

    パソコンやスマホの明るさを下げてみましょう

    年齢を重ねると老眼だけではなく白内障や更年期によるドライアイも生じやすくなり、光をまぶしく感じるようになります。
    特に強く刺激を感じるのがパソコンやスマートフォン。これらは明るい光を発するだけではなく、液晶画面からブルーライトが眼の奥に届きやすく目の疲れを引き起こす、という報告も。

    パソコンやスマートフォンの明るさ設定を少し暗めに設定してみましょう。
    目の疲れを予防するパソコン用メガネや薄い色のついたメガネを使用したり、スマートフォン用のブルーライトカットシートを画面に貼ってもよいですね。

    老眼の矯正は早めに始めましょう

    手元の文字が見づらいのにそのまま無理を続けると眼の負担がさらに増してしまいます。
    眼を酷使すれば疲れ目になるのは当たり前ですし、きちんと強制したほうが疲れにくくなるので目の健康を守ることができます。

    老眼の矯正方法には老眼鏡をかけるだけではなく、コンタクトの度数を弱めにして、近くを見えやすくする方法もあります。
    まずは眼科できちんと調べてもらいましょう。

    目の潤いを補いましょう

    眼が乾燥してくると、眼球の表面をおおう涙の膜がデコボコしてモノが見えにくくなってきます。
    老眼による疲れ目を和らげるためには、目の潤いをキープしてあげることも大切。
    意識して瞬きをするようにしましょう。

    パソコンなどを見ている時には、瞬きの回数が半分以下に減る、と言われているので、気が付いたらパチパチと瞬きを繰り返しましょう。

    また眼科で処方される目薬も効果的。私もドライアイがひどいのでヒアルロン酸入り目薬を処方してもらいました。
    特に自分の涙の分泌を増やすジグアス点眼液3%(参天製薬)や、ムコスタ点眼液UD2%(大塚製薬)はドライアイの治療薬として注目されています。

    夕方からは目のリラックスタイムに

    老眼は目のレンズになる水晶体を厚くしたり薄くしたりする毛様体筋が疲れてくると、症状が悪化しやすくなります。
    つらくなるのは午前中よりも夕方のほう。ピントが合いにくくなり、目もかすみやすくなります。

    手元を見る細かい作業は昼間のうちに済ませ、夕方から夜はできるだけ目を休ませましょう。
    TVやパソコンを見るのはできるだけ控えて。読書も明るい場所でほどほどで切り上げましょう。

    目にはまぶたと閉じることが一番の休養なので早く寝ることも大切。

    ホットタオルをあてて血行促進を

    目が疲れた時に、私はよくホットタオルを使って目を休ませます。
    これがとっても気持ちいい。

    お風呂に入った時にでもいいですし、寝る前でもいいのですが、ひと肌程度に温めたホットタオルを目に当てて血行を促してあげましょう。
    温めると目の周りの筋肉がほぐれて緊張が和らぎ血行が良くなって、新鮮な酸素や栄養が目に届きやすくなります。

    また、この方法は更年期女性に圧倒的に多いドライアイにも効果的。
    温めると涙の蒸発を抑える油分の分泌がスムーズになり、目が乾きにくくなります。

    日常生活がつらくなったらメガネやコンタクトでケアを

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    見えにくいシーンを考えて矯正方法をチョイスしましょう

    老眼になりだしたころは、多少見えにくくても本を手元から遠ざける、などして距離を調整すればピントを合わせることは可能。
    こうして日々過ごしている方も多いのでは?

    でも、老眼が進行してくると手や頭を動かしただけでは対応しきれなくなります。
    スマホの画面や新聞が見にくかったり、目の奥が痛むなどの症状が出てきたら、老眼の矯正が必要になってきたサインです。
    我慢せずに眼科で相談してみましょう。

    メガネやコンタクトなど、どの方法で調整するのかは目の状態や生活スタイルが影響します。
    手元だけが見づらい人はかけはずしやすく、値段も安いリーディンググラス(既製の老眼鏡)、車の運転や外出など広い範囲を見る機会が多い人は遠近両用など多焦点の老眼鏡やコンタクトレンズが向いています。

    老眼鏡

    老眼鏡には単焦点と多焦点レンズがあります

    老眼の強制でトライしやすいのは、かけはずしが簡単にできるメガネ。
    老眼鏡の場合、レンズが遠くか近くかどちらかの一点にしか焦点が合わない「単焦点」と
    一枚のレンズで近くと遠くの両方に焦点が合う「多焦点」があります。

    多焦点には遠くの景色と手元が見やすい「遠近両用」
    室内も手元も見やすい「中近両用」
    パソコンと手元が見やすい「近近両用」
    があります。

    老眼の進行度によってレンズの度数が変るので3~5年に一度は度数を見直しましょう。